ウッドショックの影響は?
アメリカが発端となったウッドショック。
業界の方はご承知のことと思いますが、一般の方にはまだまだ聞き馴染みのない言葉かもしれません。
昨年の夏頃から、コロナ禍で木材業界が減産体制に入ったことと、リモートワークや超低金利政策が相まって郊外に住宅を購入する人が増加。木材需要が急激に高まりました。中国でも同様のことが起こりました。
物流の混乱が拍車をかけ、世界中で木材供給が滞り、日本では輸入木材が不足し国産材にシフト。
その供給も逼迫し、木材価格はどんどん上昇しています。
これがウッドショックと言われるもので、日本では今年の3月頃から問題になり始めました。
すでにアメリカの木材需給が落ち着いてきているようで、一時3倍にもなった製品価格は1.5倍程度まで落ちてきているようです。
アメリカの木材バブルが弾けてから日本に影響が出るのが3ヶ月後ぐらいあとになると言われているので、今秋から年明けには落ち着いてくるものと思われます。
日本は国土の約3分の2が森林であるにも関わらず、木材供給率はわずかに37.8%。輸入に頼ってきたことが今回のウッドショックの影響を大きくしています。
もともとは100%近くあった供給率が下がった要因は、円高による輸入外材価格の下落。
円高になると外材価格は落ちます。それに合わせて国産材も落とさざるを得ない状況になります。
ウッドショック前には杉丸太価格は立米あたり13,000円程度でした。
1980年は約40,000円。伐採経費は変わらないのに、売値は暴落。こうしたことが影響して、山は放置されるようになり、国産木材の生産が減少し、供給率も落ちました。
この間、林業界では高齢化が進み人手が不足しています。職人の世界で、ノウハウがものを言う世界。急な木材需要の拡大に対応して人を増やし、増産できるものではありません。
今回のウッドショックを教訓に、供給率の改善を図り、調達先を多様化することも考えなければならないと思います。
当事務所では「兵庫県産木材」の使用を推奨しています。
兵庫県には「兵庫県産木材利用木造住宅特別融資制度(https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk14/af13_000000017.html)」という、超低金利の長期ローン制度があります。融資機関は嫌がりますが、兵庫県に住宅を建てる方なら誰でも使うことの出来る制度です。
ウッドショックの影響が少ない県産木材の家、いかがですか?
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癒やしの美容室完成
3月に声をかけていただいてスタートした美容室(リノベーション)が先日完成しました。
可愛さのある癒やしの空間にしたいとのご要望がありました。
居心地の良さと、落ち着きと、機能性とランニングコストなどを考慮しました。
右手の板壁には着付けコーナー用の鏡が隠れています。
カット鏡は既存のものをリメイクしています。
再利用できるものは全て利用して、必要なとこにコストをかけました。
バランス良く仕上がっていると思います。
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教室を広げて
「文科省が、全国の国公私立学校で普通教室の面積を広げるよう、設置者である市町村教育委員会などに促す方針を固めた」というニュースがありました。
GIGAスクール構想によって、今春から多くの小中学校でパソコンやタブレットが1人1台配置されているようです。しかし、現在主流の旧JIS規格の机では教科書と端末を同時に扱いにくく、新規格の机(縦横それぞれ5㌢大きい)にすることや、電子黒板や端末保管庫などを置くと、子ども達の使えるスペースが狭くなるというのが理由のようです。
公立小中学校の普通教室の約7割が65平方メートル未満で、8×8mもしくは、7×9mのところが多いようです。
新規格の机を配置して、電子黒板や保管庫を置くと、上記のモデルプランでは30人でいっぱいいっぱいだとの検討結果が示されていました。そこで、「教室を広げて」の方針のようです。
その方法として示されている例が上の画像です。
①廊下側の壁を外す
②外壁側に増築する
③教室間の壁を外す
②が一番現実的だろうと思います。
①については、建築基準法で廊下幅が規定されているので、むやみに広げることができません
③については、教室間の壁が耐力壁になっていることが多く、建物の耐震安全上壁を取り除くことが困難です
ということで②が最有力であると思いますが、これも2方向避難の観点からバルコニーを設けていることが多く、その場合これも難しいことになります。
空き教室を活用して一クラスあたりの人数を減らすことが一番現実的だと思います。
現在約46%もある「直ちに老朽化対策が必要」な築40年以上の公立小中学校の改修工事に合わせて、今回の整備も行ってもらおうという目論見のようですが、、、
なんにせよ、困っているのは子どもたち。改修を待たずに現場で出来る工夫を凝らして、よい学習環境を作っていってほしいと思います。
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音環境を良くするには窓の性能を高めると効果的
昨日は雷がすごかった。
遠くで聞こえるなぁと思っていたら、どんどん近づいてきて。
大雨と雷が降り注ぐ時間が長く続きました。
BGMも聞こえにくくなるほどの雨音と雷音。
当事務所は、
窓はアルミの単板ガラス。
外壁はグラスウール100ミリの充填断熱。
という環境なので、外の音はホントによく聞こえます。
音が気になる時は、ノイキャン機能を備えたヘッドホンをしています。
総務省が出している「典型7公害の種類別公害苦情受付件数の割合」を確認すると、
「騒音」は25~30%もの割合を占めていました。
件数にしておよそ17,000件!
具体的な中身は、
建設作業や工事・事業所で約60%になりますが、生活騒音が約10%となっています。
騒音に悩まされず、ご近所トラブルを未然に防ぐためには、
外部から侵入する音、内部から漏れる音を遮ることが重要になります。
音は空気中を伝搬するので、まずは「気密性(室外と室内の空気の出入りの程度を表した性能です。
気密性の高い家=隙間の少ない家ということになります)」を高めて音の入ってくる隙間を少なくすると良いと思います。
また、音が伝搬する過程でものに当たると、反射と透過がおきます。
窓ガラスにあたった音は一部「反射」し、その音の作用によってガラスが振動して、音が「透過」します。ガラスが二枚あればこれを二回繰り返し、三枚あれば三回繰り返すことになるので、より透過音は少なくなります。
建物自体の気密性をあげることと、窓ガラスを二重もしくは三重のものを選び、かつ気密性の高い形状のサッシ(スライディング系は気密性が低くなります)にすれば、騒音で悩むことなく、快適に過ごすことができると思います。
↑Ykkap APW430の断面模型
当事務所では、APW430(トリプルがラスの樹脂サッシ)を標準として、気密性が落ちないように監理を行っています。
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無垢の板は梅雨時こそ効果を実感!
ジメジメした梅雨もあけようとしていますね。
くせっ毛の私には梅雨はストレスでしか無い時期なので、ホントに待ち遠しいです。
当事務所では、住宅の床には無垢板を薦めています。
収縮などはありますが、肌触りが良いことや傷が目立ちにくいこと、また凹みならスチームアイロンで直せることなど無垢板ならではのメリットを感じています。
先日、おすまいの打ち合わせ中に「床は絶対無垢が良いです」というお施主様がおられました。
理由を聞くと、今のお住いには複合フローリングと無垢板とそれぞれあるようで、「床のベタつきがぜんぜん違うんです」と。
この湿気た季節に、まさに肌で感じられたようです。
↑杉の無垢板(集成材)
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